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 2008/08/25 多重債務:県信用生協&自治体の貸付制度、日本版グラミン銀行に脚光

8月25日12時1分配信 毎日新聞  ◇多重債務から脱却  多重債務から脱却するためのセーフティーネットで「日本版グラミン銀行」とも呼ばれる、県消費者信用生活協同組合(信用生協)と自治体などによる貸付制度が脚光を浴びている。県内では20年以上も前から実施していた制度だが、政府が07年に策定した多重債務問題改善プログラムで岩手モデルとして推奨、他県でも取り入れる動きが広がりつつある。【念佛明奈】  ◇きめ細かな相談、融資セット 貸し倒れ率低く  この制度は、県内35市町村が地元金融機関に計11億円を預け、地元金融機関がその4倍の44億円分の融資枠を信用生協に与える仕組み。信用生協がその融資と独自資金を元に、債務をいったん肩代わりして整理する。銀行から融資を受けられない多重債務者にとって、消費者金融での借金を重ねる悪循環から脱却する機会となるわけだ。消費者金融業者などとの債権カット交渉には弁護士があたる。  最大の特徴は、必ず多重債務者の家族に連帯保証人になってもらう点だ。信用生協の上田正専務理事は「個人ではなく『家計』への融資という考え方だ。家計簿を見せてもらって診断してから融資する。内緒で借金して一人で苦しむ人も多いが、家族と返済方法を考え、力を合わせれば解決できるケースが多い」と説明する。実際に貸し倒れ率は0・31%(07年度)と他の金融機関と比べても低い。  同制度はきめ細かな相談と融資がセットになっていることなどから、経済的に厳しい女性らに無担保小口融資をして起業と社会参加の手立てを提供するバングラデシュのグラミン銀行の日本版ともいわれる。  採用のきっかけは、87年に宮古市で起きた集団名義貸し事件。高校の同窓会ルートで「新事業を始めるから出資してくれ」と若者約230人が出資金を要求され、総額約3億円をだまし取られた。消費者金融から借金して出資した若者も多く、「破産すれば地域社会にも大問題だ」と信用生協と宮古市が急きょ協議。同市が地元金融機関に5000万円を預け、地元金融機関がその2倍の1億円の融資枠を信用生協に確保し、ほとんどの被害者の破産を回避した経緯がある。  最近では福岡県や熊本県の生協が、このような信用生協の取り組みを参考にした生活再生貸付事業をスタートさせた。他にも複数の地域で導入を検討している。  一方で課題もあり、仮に回収不能になった場合は信用生協が穴埋めするなど負担が偏る。政府が岩手モデルを推奨する背景には、地元金融機関や自治体が負うリスクがなく、国の財政出動にも影響しないという本音も透けて見える。上田専務理事は「信用生協は貸し付けの利息収入のみで運用している。最近は貸し付けなしで債務整理可能なケースが増えたため、採算が取れない状態だ」と公的支援の必要性を訴えている。

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